有頂天家族の舞台!京都・狸谷山不動院はタヌキのパラダイス!

狸谷山不動院 京都の寺社仏閣
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京都市は東、「狸谷山不動院」へ

タヌキって、カワイイですよね。
森見登美彦の「有頂天家族」にハマってから
すっかりタヌキ好きになってしまいました。

またその舞台が京都にあるっていうから、
なおのこと好きになってしまいますよね。

今回は狸谷山不動院(たぬきだにさんふどういん)へまいります。
当然、有頂天家族にも登場する舞台です。
※道中かなり坂道を登るため、スニーカー推奨です。

今回のラインナップは、こちら・・・

・狸谷山不動院のご利益は?
・京都駅→狸谷山不動院へ
・まるで清水の舞台!懸崖造りとは?
・宮本武蔵 修行の地!?




狸谷山不動院のご利益は?

たぬき、というのはどうも、
「他抜き」ということで、
商売繁盛、芸事上達祈願
お参りに来る方が多いようです。

他にも難病平癒のご利益もあるそうで、
ガン封じや難病よけのために
参拝される方も多いようです。

京都駅→狸谷山不動院へ

京都駅からのアクセスをご紹介しておきます。

京都駅北口のバスロータリーで
市営5番に乗り、バスに揺られて約40分。
一乗寺下り松町で下車してください。

あ、もしかして一乗寺下り松という言葉に反応しちゃいました?反応してしまった人、どうもすいません。一乗寺下り松については後述しますので、しばしお待ちを!

バスで北へ上がって来ましたので、
東側にある山を目指して歩いて歩いて、
坂を登って登って登れば、到着!

やっと入り口ですw
大量の狸がお出迎え!もう既にカワイイ。

奥に黒い石碑が見えるの、わかりますか?
これ、阪神タイガースの優勝記念碑なんです。
タイガースのトラのマークが彫られています。
近くには元投手や元監督の名が刻まれた石碑もあります。

「他を抜く」ということから、
スポーツ関係者もお参りされているみたいです。

さて、ここから更に登っていきますよー

階段を上って・・・

赤い鳥居を抜け・・・

階段の途中にしれっとありますが、実はこれ
弘法大使である空海上人の石像です!!
つららができてて、かわいそう寒そう。

そして気になるのは法衣の陰からぶら下がる
小さなわらじたち。
「健脚わらじ」というそうです。
健脚祈願ですね。

空海と言えば真言宗の開祖であり、金剛峯寺(こんごうぶじ)を建てられたエライお坊さんです。ぼくは故郷から高野山まで結構近いので、2年に1回は初詣がてら登ってお参りしています。ついでに写経もしています。何回か写経を行なうと、オリジナルグッズがもらえるようです。ぼくはまだその回数に到達していませんがw

ところで、空海さんがなぜ健脚なのか?それは彼が全国行脚をしたという伝説が残っているから。でも本当は全国行脚してないと思います。唐から帰ってきたあともしばらくは九州の大宰府にいましたし。20年の留学予定を勝手に2年で切り上げて日本へ帰ってきたもんやから、めちゃめちゃ怒られた!そらー送り出した方もすぐに京へ帰ってこいとは言いませんよねw

全国行脚に出たとされるのは、彼が亡くなってからのこと。え、死んでから走り回ってるってどういうこと!?うーん、何て言えば良いのか、彼は「生き仏となって行脚した」とされています。だから全国の様々な場所に、
「空海さんが発祥の〇〇」というものが残っている。そこから健脚祈願のアイコンとなったというわけですね。しかも現在も高野山の奥の霊廟で修行されているとか・・・。

それにしてもこのわらじ、どこかで売ってるんやろか。お守り売り場にもなかったし、境内を回っても見当たらんかったけどなあ。

わらじの謎は解けないままですが、
気を取り直して階段上りを再開しましょう。

さあ、目の前にあるのが現実です。

げ、現実です・・・
階段多すぎ・・・ww



まるで清水の舞台!懸崖造りとは?

さあ、さっきの階段を上がればもうすぐです!

はい!やっと到着!!長いぜ!!

でも本殿へお参りするには、あともう少し
階段を上がらなければなりませんw

ところでこの舞台、
どこかで見覚えがありませんか?
京都通の皆さんならわかるはず。

懸崖造り(けんがいづくり)」
「懸作り(かけづくり)」
と言われる建てられ方。
実は清水の舞台と同じ造りになっています。

このアングル。
どうです?似てません??
でも中の雰囲気は全然違いますよ。

そもそも何でわざわざこんな断崖絶壁にお寺を建てたのか。それは狸谷山不動院の発祥に理由があります。

狸谷山不動院そのものの歴史はそこまで古くはなく、江戸中期木食上人(もくじきしょうにんが開いたとされています。木食というのは、穀物を食べずに木の実や草を食べるという修行の一種です。昔、お米は税金や武士のお給料に使われてましたから、穢れという認識があったのかもしれません。
その木食上人が安置したとされるお不動様の像が、洞窟の中に祀られていました。その洞窟を覆うようにして、この本堂が建てられたわけですね。

ちなみにぼくが行ったときは、
笹酒(ささざけ)が振舞われていました。
笹酒接待というヤツです。

この笹酒には「ガン封じ」の願いが込められています。
木食上人が滝の水を竹の中に入れて病人に飲ませると、たちまち平癒したという伝説が残っています。それにちなんでのことだと思いますが、水がいつの間にか酒に変わったのは、なぜ?w



宮本武蔵 修行の地!?

さて、帰りは山の斜面沿いのコースを辿ります。

ぶんぶくちゃがま!!
所々で可愛いタヌキがいますので、
気を抜かないように!w

階段を降りていくと、こんな石碑が。

どうやらここで、宮本武蔵が修行していたようです。滝に打たれて鍛錬を重ね、己に打ち勝つ不動心を手に入れたとか。お不動さんにあやかって、ということでしょうか。安直というか、自己暗示がすごいというか。w

さあ、お待たせしました!宮本武蔵のお話です。
先ほど出てきた一乗寺下り松といい、この辺りは宮本武蔵と縁が深いようです。山を下りれば、近くに「八大神社」もあります。境内には宮本武蔵像もあります。

宮本武蔵ファン、あるいはバガボンドファンであればご存知かと思います。吉岡一門との決闘ですね。吉岡道場は京都では名門の剣道場でした。武蔵は2回ほど、この道場にケンカを売っていますww

さて話は戻って決闘前夜、武蔵は八大神社の前を通りかかり、お参りしようとするも鈴は鳴らさず、一礼して立ち去った。これがかの有名な「神仏を尊んで神仏に恃(たの)まず」というヤツですね。

吉岡一門との戦いですが、武蔵1人に対して吉岡門弟は100人いたといわれています。(実際はもっといたかも。)
集団の背後から近付いた武蔵は、大将(とはいえ元服前の少年)を斬り伏せ、その後も門弟をバタバタと倒していきます。さすがに全員に勝てるわけもないので、ある程度で逃げちゃったみたいですが、吉岡一門は面目丸つぶれですね。

その後剣道場はどうなったのかは知りませんが、この間、祇園をぶらついていると
「染司よしおか」という看板が。資料ではその後、吉岡一門は染物屋を始めて成功していたと知っていましたが、まさかと思い調べてみると、あの吉岡一門の流れをくむ染物屋の五代目当主だとか。さ、さすが京都・・・!

 

狸谷山不動院をご紹介してきたわけですが、
周辺情報の方がボリューム多いですね。w

1月末に行ってきたので結構雪がすごかったです。
銀世界を楽しみたい方は、1~2月に行くと良いかも。

ただ、暖を取れるところは全くないので、
暖かくしてお出かけください。

【 狸谷山不動院 】
所在:京都市左京区一乗寺松原町6
Tel:075-722-0025
HP:https://www.tanukidani.com/

【八大神社】
所在:京都市左京区一乗寺松原町1
Tel:075-781-9076
HP:http://www.hatidai-jinja.com/

【染司よしおか】
所在:京都市東山区西之町206-1
Tel:075-525-2580
HP:https://www.textiles-yoshioka.com/