琵琶湖博物館、本気で回ったら丸一日も満喫できましたー後編ー

瀬田の唐橋 キャンプ
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ビワイチ旅・番外編 壮大な道草(後編)

前回は理系の観点から
琵琶湖博物館を楽しみました。

後編はちょっぴり文系寄り、karateの得意分野です。
今回のラインナップは、こちら・・・

◆ブラタモリファン必見!
地質で読み解く琵琶湖の姿
◆琵琶湖は交通・行商の要衝!
行き交う船に古を思う
◆琵琶湖は葦(よし)と共にあり!
生き物と歴史を支える葦のヒミツ
◆夕焼けに映える古の橋
瀬田の唐橋」が現代に醸す風情

ブラタモリファン必見!
地質で読み解く琵琶湖の姿

琵琶湖は湖。それはそうです。
だから油断していました。まさか、

こんな本格的な地質調査の展示があるなんて!!

展示自体は結構歴史を感じるコンテンツですが、

ほ、本格的…!ジオパーク顔負け。

水生生物の展示室で「琵琶湖は古代湖」とあります。
一説によると400万年前から存在していたとか。

10万年で古代湖扱いしてもらえるのに、
琵琶湖はケタが違うぜ。

それは確かにスゴイ。
湖の平均寿命は数千年から
長くても数万年と言われている中、
400万年はスゴすぎる。

地球に古代湖は20ヶ所程度しかないのに
この小さな日本にそれがあるなんて。

だから疑問に思いました。
じゃあ琵琶湖はなぜこんなにも長生きなのか?

湖になるにはいろいろな条件が必要です。

・川から水が流入する。
・岩盤等、排水されにくい条件がある。etc…

そういった条件が揃っていても
川が運んでくる土砂が積もっていくと
埋まってしまう。それが湖。

でも、琵琶湖は埋まらない。
埋まらないどころか、
あんなに大きくなっちゃって・・・

埋まらないのは「琵琶湖西岸断層帯」のおかげ。

こちらをご覧ください。
(いっぺん、言うてみたかったw)

汚くてスイマセンww

琵琶湖の西側には比叡山を始めとする
比良山系の山々が連なっています。

琵琶湖の南部~東部には
草津・守山・彦根などの大きな街もいくつかあって
住む人も観光客も、歴史的建造物も多いのです。
それだけ東側には
平地が広がっているということでしょうな。

一報、西側は湖岸をロードバイクで走っていても
すぐ近くに高い山がそびえているので、
結構な圧迫感を感じます。
それだけ西側には平地面積が狭いのです。

それもそのはず、土砂が堆積しなければ
平地はできない。

厳密には堆積しているのですが、
断層のおかげで堆積する端から沈んでいくので
地表に現れることはないんですね。

様々な偶然が重なって、琵琶湖はできたと。
そんな奇跡がお隣の県にあるなんて。

これからもいっぱい、琵琶湖には遊んでもらおう。



琵琶湖は交通・行商の要衝!
行き交う船に古を思う

そうこうしているうちに、
あれよあれよと文化色が濃い展示になってきました。

え、マンモス?
琵琶湖にもおったんか・・・?

お腹の下から見上げられるという
粋な展示!!

研究所の展示は数多の子どもが。
将来、研究員になる子も出てくるかしら。
ビリリダマとかコイルが好きになるんかしら。w

さて、琵琶湖といえば交通の要衝
街道を歩く人、琵琶湖上を舟で行く人、様々です。
「急がば回れ」ということわざも、
ここで生まれました。

湖や川を行くなら、これくらいのサイズが
ちょうど良いんでしょうな。
琵琶湖ならこの5倍大きくても大丈夫そうやけど。

渡船に使うには大きいような気もしますが
行商に駆り出されるには少し小さいかしら。

お次は、橋の展示。
橋の展示って、何がおもろいねん!
とお思いのあなた、あなどるなかれ。

ジオラマ!しかも橋だけなんて贅沢!!
さすが橋の展示コーナー、あくまで橋が主役。

見上げると展示室の柱から天井まで
橋仕様。ニクイ演出。

瀬田の唐橋といえば、karateがいつも
ビワイチを出発する地。
個人的には人並みならぬ思い入れのある、
古の姿を残した風情ある橋です。
というか、橋というだけでロマンを感じるのは
karateだけでしょうか。w

橋とは、向こう岸とこちら側をつなぐもの。
舟だって例外ではありません。
此岸と彼岸、ルビコン川を渡る覚悟、
向こう側の世界というのは、
やはりロマンあふれるものですよね。
人の多く行き交う瀬田橋、もとい勢多橋。
史実に浮かばぬ出会いや別れも、多く見守ってきたことでしょう。
そりゃあもう、

歌も詠みたくなるってもんです!w

それにしても不勉強でした、
琵琶湖南部には大津宮という都があったんですね。

近江大津宮(おうみおおつのみや)

667年に天智天皇が奈良の飛鳥から滋賀の大津に都を遷都。白村江の戦い(唐・新羅vs百済・倭)で大敗した後、湖と山に囲まれ防衛に適した大津に都を移したものの、わずか5年で廃都。671年に天智天皇が崩御後、都はすぐに飛鳥へ戻ることに。この5年の間を近江朝と呼ぶことも。

まさか滋賀が首都だった時代があったなんて。
でも考えればこれだけの資源を持つ琵琶湖、
恩恵にあずかりたい人々は多かったでしょうな。
ただ、水害は頻発してたでしょうね。
だから都には向かなかったんかしら。

 

琵琶湖は葦(よし)と共にあり!
生き物と歴史を支える葦のヒミツ

って、ご存知?
「人は、考える葦(あし)である」の、葦。
ヨシとも読みます。葦簀(よしず)が良い例。
夏になると重宝しますよねえ
karateの実家では今も現役で毎夏、大活躍です。

琵琶湖の生き物は、この葦のおかげで
命を繋いでいるといっても過言ではありません。

カヤネズミの展示がありました。
実際に巣を作って、この中で生活しています。
夜行性のようで、昼間はなかなか姿を拝めませんが
代わりに映像で、活動している姿を見られます。

日本最小のネズミ、かわいらしいですね。
アメ村に跋扈する巨大なネズミさんたちとは
愛嬌が違う。w

このカヤネズミ、準絶滅危惧種に数えられています。
とくに愛知を始めとする中部地方では準が取れて
絶滅危惧種になっているとか。

イネを食べると誤解されてきたため
捕まえて殺されることもしばしば。可哀想。
主食は雑草の種やバッタ。
むしろ稲作にとっては害獣ではなく益獣では・・・

茅葺屋根を始めとする、葦の文化。
目を引いたのは、右手に見える葦タワー。

これ、巨大な松明(たいまつ)らしいのです。
毎年4月14日・15日に八幡まつりが行われます。
初日が松明まつりで、おまつりで使う松明は
10mにも及びます。めっちゃ燃えそうww

昔ながらの家屋の展示もありました。

これは「おくどはん」どすな。
「くど」というのは、京都の方言で「かまど」のこと。
「竈」の字も、今となってはすっかり一軍級の漢字、
書けずとも読める人口は、
この1年で一気に増えたんやなかろうかw

八百万の神々がいる日本、実はかまどにも
「くど神」という神さまがいらっしゃいます。
竈だけではなく、昔は家の中でも
たくさん神さまと暮らしていたみたいですね。

神さまが存在するかどうか、
いないなんて言う人も大勢いますが
確かに物理として存在するわけではないでしょうね。

でも、信仰が人々の行動を諫めたり
逆に後押ししたり。

触れられないことがすなわち
存在しないわけではない。

じゃあ、それは存在するということに
なるんじゃないでしょうかねえ。

おくどはんに触れて、神さまを身近に
感じずにはおれないkarateでした。



夕焼けに映える古の橋
「瀬田の唐橋」が現代に醸す風情

外に出ると、

すっかり夕方!
博物館に時間ごっそり持ってかれた!ww
慌てて南下し、出発地点の瀬田を目指します。

琵琶湖博物館のある守山から瀬田までは
ほんのわずかな距離です。
あっという間に

「瀬田の唐橋」へ到着です。
こちらからだと、やや風情不足かしら。

こちらで、いかがでしょう!
素晴らしい姿を残してくれています。

もちろん、木造というわけにはまいりませんので
ばっちり現代の技術を備えています。

せっかくなので、橋を渡ってみましょう。

京都の橋にも負けぬたたずまい。素敵。
無理もありませんな、だってこの橋、
『日本書紀』に既に名前が見られます。
めためた、歴史のある橋です。

そしていくつもの戦乱の渦中にもなった橋。
壬申の乱、治承・寿永の乱、本能寺の変・・・
「唐橋を制する者が天下を制す」と言わしめるほど
この橋は物流・交通の要衝でした。

瀬田の唐橋のわきの歩道には、こんなものが。

ヘビですね。ムカデは可愛くできないですもんねw
瀬田の唐橋には、こんな逸話があります。

俵藤太(たわらのとうた)のムカデ退治

平安時代のこと、ある日、藤原秀郷が唐橋を渡る折、橋に大蛇が横たわっていました。その大きさ、なんと60m。が、秀郷は大蛇を踏んづけながら、橋を渡って行きました。大蛇の正体は、龍神さまでした。この龍神さま、近くで散々悪さをする巨大ムカデに困り果てていました。勇敢な秀郷を見込んで、退治をお願いしたのです。
すぐさま3本の矢を持って巨大ムカデに立ち向かい、3本の矢をもって見事に退治しました。退治の御礼に、米が減らない米俵、切っても減らない反物、美しい音色の鐘、食べ物のあふれ出る鍋をもらいました。なくならない米俵にちなんで、秀郷は「俵藤太」と呼ばれることに。

だから、ヘビがあしらわれているんですね。
これは神さまなわけだ。皆、踏んづけてるけどww

そして近くにはさらに、

瀬田城跡の石碑も。
山岡氏の平城、膳所城と大津城、坂本城と並んで
「琵琶湖の浮城」と呼ばれていました。
坂本城といえば、明智光秀の居城ですな。
今は石碑が残るのみで当時の陰は見られません。
でも浮城と呼ばれるほどですから、
さぞ美しい城だったのでしょう。
見てみたかったなあ。

 

さて、たかが寄り道されど寄り道。
急がば回れを体現した今回の旅でしたが
歴史も文化も自然も、てんこ盛りでした。
いよいよ、当ブログのタイトルも
揺らいできましたねwww

丸一日使っても満足いくほどの施設です。
それなりの時間的余裕をもってお越しください。

琵琶湖博物館
滋賀県草津市下物町1091
Mapはこちら

 



 

前編は、こちらからどうぞ・・・

琵琶湖博物館、本気で回ったら丸一日も満喫できましたー前編ー