柳宗悦のDNA!「牛ノ戸焼」&「吉田璋也」心にいつも民藝の炎

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普段使いの食器から、芸術へ

民藝運動って言われると、
何やら物々しい響きに聞こえます。
民藝の字を使うと尚更・・・

カレーを尋ねて行ったつもりが
すっかりこちらにどっぷりです。

日常使う陶器を芸術にまで昇華させた
吉田璋也の跡を追いかけてきました。

今回のラインナップは、こちら・・・

◆たくみ割烹店の二軒隣り!
「鳥取民藝美術館」鳥取に眠る美
◆お土産にお皿はいかが?
「鳥取たくみ工芸店」吉田・想いの体現

 

たくみ割烹店の二軒隣り!
「鳥取民藝美術館」鳥取に眠る美

お腹も膨れたことですし、
満を持してまいりましょう!

「鳥取民藝美術館」です!
倉も良いんですけど、入り口の引き戸が
もう素晴らしい。

入り口で入場料を支払って、いざ!

倉の中なので、少し狭いですね。
でもここに所狭しと美術品を並べてしまうのも
お上品とは言い難い。

展示されている品数というか、品と品の間隔は
理想的なように思えます。

既に先客がお一人、そしてkarateの後にも
大学生くらいの男の子たちが3人。
結構皆さま、民芸への関心が高いようで。

それもそのはず、

河井寛次郎からバーナード・リーチ
芹沢銈介柳宗理まで・・・!
鳥取に凄まじいビッグネームたちが!!

その中心にいたのが、

吉田璋也(しょうや)という方。
彼の歴史についてはご覧の通り。

牛ノ戸焼の指導を行ない、スローガン通り
民芸を美へ昇華させたわけですな。

展示室は2Fもありました。
上の階は主に吉田と民藝運動についての展示。

途中、後ろから学生たちの声が聞こえてきました。

「皿とか買ったことある?高くない?」
「プラスチックので十分じゃない?」

どうも伝統工芸品をはじめ民芸品に到るまで、高級品というイメージがあるようです。少し高く感じるのは、大量生産品が安すぎるだけのこと。企業努力によるコスト削減の結果、安くなったというだけのこと。むしろ不自然な安さ、品物の正当な対価ではないんです。

以前、竹籠を編む職人さんにお話をうかがったことがあります。竹を刈りにいき、乾燥させ、籠に編みやすいように細く割り、曲線を生むために力を加え、そして編んでいく。全ての工程をお一人でなさっていました。
そうして編み上げられた買い物籠。サザエさんが買い物へ出かけるときに持つような、古式ゆかしい籠。お値段は2万円以上したと思います。

最初は正直、高いと思いました。でも100円均一のお店で買ったエコバッグが、何世代も受け継がれるでしょうか。エコを目指しているはずが、全く逆の行動になっているということに気づかぬまま、可愛いエコバッグを見つけては買ってしまう。
一方でかの竹籠は何世代もの使用に耐えます。それは耐久性のみならず、デザインにおいても飽きのこないものだからです。

誰が作ったのかもわからない、思いがこもっているのかもわからない大量生産品よりも、作り手を知り、物語を知り、思いを知り、そして長く使う中で愛着と新しい物語がこもっていく。

母が身に着けた着物に袖を通すように、自分もまた左腕に籠を提げる。それを我が子が見て育ち、いずれは子も、さらにその子どもも、腕に提げる。ここの傷はね、お母さんのお母さんがうっかり角に押し付けてしまってね、なんて、家族の話が籠からこぼれる。そう思うと物の価値は値段で測ることはできやせんですな。

鳥取民藝美術館
鳥取県鳥取市栄町651
10:00~17:00(水曜定休)
Tel:0857-26-2367



お土産にお皿はいかが?
「鳥取たくみ工芸店」吉田・想いの体現

さて、また外に出てきました。
お次はたくみ割烹店と
鳥取民藝美術館の間にある、

「鳥取たくみ工芸店」さんへ!
「美を生活に結ぶ」ことを掲げて営業されています。
吉田の目指した民藝の姿、そのものですね。

民芸というのは、民衆的工芸の略。民衆の扱う工芸に、新しい美を見つけ出した柳宗悦の始めた運動を指して「民藝運動」といいました。近代化待ったなしといった時代の中、近代化ということはすなわち西洋化を急ぐことであると、はき違えてしまった。大量生産品が世に出回り始めたから、柳宗悦は慌てたのかもしれません。

とはいえ、せっかくの民藝も庶民の手の届かないものになってしまっては「民衆的」工芸の名を返上しなくてはなりません。リーズナブルな焼き物だってたくさんあります。むしろこういうお店こそ、民衆の手の届く焼き物その他工芸品がたくさん揃っています。

玄関入ってすぐの売り場です。
こういうお店の良いところは、高い品物と安い品物の両方が揃っていると言うこと。高いものばかりだと庶民は手が出ませんし、安いものばかりだと、安いものしか買わなくなってしまう。どちらもあるからこそ、
「このお皿とあのお皿、デザインそんなに変わらんのに、なんであっちの方が高いんやろう」
「訳アリって書いてあるけど、どこもおかしな所ないのに、なんで安いんやろう」
といったような疑問を持つことができる。民芸であれ何であれ、そういう疑問を抱く余地のないところには間もなく、「飽き」がやって来る。

karateはあまり物欲がなく、また感情の起伏もあまりないため、どこからエネルギーを持ち出すのかは幼少期からの大きな課題でした。でもやっぱり人間、よくできているもので、そのエネルギーがない分、karateは知的欲求が人一倍強いように思います。民芸に興味を持ったのも、当然の結果といえるでしょう。

だって民芸の世界にはわからないことが多すぎる!各地方には土地の名をいただいて「〇〇焼」という焼き物がたくさんありますが、地域の特徴的な色柄が表に出ていなければ、見ただけではどこの焼き物なのか全く判別がつかない!!w

焼き物に限らず、こういう木工品や藁を編んだような民芸品だってあちこちにあるし、塗りを重ねてしまえば大体似てるし・・・カオス。w

だからお店の人に尋ねて、「これが牛ノ戸焼か!」とか「こんな感じでも萬古焼なん!?」とか、いつも驚きが待っています。いつまで経っても、この道のエキスパートになれる気がしない。だから、いつまで経っても楽しい。

今回、karateはこの子を買って帰りました。

青谷町のあたりにある山根窯の作品。
黒の中にかかった青みがほんのり
曜天変目を彷彿とさせます。

お値段はうろ覚えですが、
3,000円くらいだったような…

これを高いと感じるか、値段相応と感じるか、
絶えず良いモノと庶民の手に届くモノを
見詰め続けていくしかないですな。

やっぱりkarateは普段からガシガシ使いたいので
あんまり高いのは気ー使います。w
もう少し年を取らんといかんですなww

鳥取たくみ工芸店
鳥取県鳥取市栄町651
10:00~18:00(水曜定休)
Tel:0857-26-2367