京都市は伏見区、御香宮神社!「かぐわしい水」とは一体…?

京都の寺社仏閣
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伏見といえば、お稲荷さん

伏見には日本の観光地ランキング
4年連続1位という快挙を成し遂げた、
伏見稲荷大社があります。

そして近隣には酒蔵もたくさんあり、
観光本にも大体セットで紹介されてますね。

そしてそこから3~5番手くらいに落ち着くのが
御香宮(ごこうのみや)神社です。
何やら良い香りのする水が湧いているそうな。

今回のラインナップは、こちら・・・

◆御香宮神社へのアクセス
◆息を飲む唐破風&蟇股(かえるまた)
◆銘酒の地には名水あり!
「御香水」の実力とは
◆御香宮神社は、歴史の大舞台

御香宮神社へのアクセス

伏見といえば、伏見稲荷大社。
伏見稲荷大社といえば、宵宮祭り
ものすごく幽玄というか、不思議な空間なんですよね。

京都・伏見稲荷大社の宵宮祭攻略!霊的な朱に誘われて

 

伏見稲荷大社にお参りなさったら是非、
御香宮神社にもお参りしてほしい!
ここまでスゴイ神社、京都でも珍しい部類です!!

ただ、伏見稲荷からは
ちょっと距離があるんですよね・・・

だから石畳の美しい酒蔵エリアを巡って、
坂本龍馬ゆかりの地、寺田屋を見て、
そして御香宮神社へお越しください!!

JRでお越しの場合

京都駅
↓JR奈良線 各停奈良行(11分)
桃山駅
:徒歩約4分
御香宮神社

近鉄でお越しの場合

京都駅
↓近鉄京都線 急行橿原神宮行(10分)
桃山御陵前駅
:徒歩約3分
御香宮神社

 

さて、駅から少し歩いたら

御香宮神社へ到着です。
恒例の狛犬チェック!

スリムで凛々しい、
オーソドックスなタイプですね。
笑ってるみたいに見える。可愛い。

今回karateは車で来たので
入り口の門は写真に納めていませんが、
徳川家康伏見城の門を寄進したものです。
こちらも一見の価値あり。

ちなみに駐車場は狭めです。
20分までは無料、そこからは料金が発生します。
電車で来た方が、色々ゆったり楽しめると思います。

息を飲む唐破風&蟇股(かえるまた)

御香宮神社といえば!

この荘厳な唐破風!!
めちゃめちゃ細かいんです。
写真じゃイマイチ伝わりづらいなあ。

唐破風(からはふ)

風を破ると書いて、破風。屋根の横側というか正面というか、三角形部分を指して破風といいます。ココですね。

こういう屋根は横からの雨風に弱いので、それらを防ぐためのモノが破風というわけです。お寺や神社だけのものではなく現代の家にもありますし、お城にもあります。その中でも寺社やお城にある「唐破風」は、装飾豊かなものが多いですね。中央がこんもり盛り上がっています。

そしてこちらも

蟇股です!

蟇股(かえるまた)

梁(はり)などの下にあり、荷重を分散させるための意匠を指す。寺社にはそこに彫刻を施したものがあり、御香宮神社以外にもあちこちで見かけます。日光東照宮にある「眠り猫」なんかも、蟇股ですね。

経年のせいか少し色あせてはいるものの
その極彩色は今なお美しい様を保っています。

karateは扁額木鼻が好きなので
あんまり蟇股には詳しくないんですよね・・・
もっと勉強しておきます。w

おっと、お参りをする前から
社殿をじろじろ見るのは神さまに失礼かしら。

先にお参りをしましょう。

油断していた矢先に
karateの愛する扁額が!!
キレイな字ーやけど、味が足らんなあ。
もう少しクセがあった方が
karate好みですねえ。w



銘酒の地には名水あり!
「御香水」の実力とは

御香宮神社には神功皇后と、
その夫の仲哀天皇がお祀りされています。

神功皇后といえば、妊娠中に
他国を軍事的に平定してしまうほどの、
まさに神がかった皇后さまでした。

神功皇后についてはコチラの中段で
説明していますので、どうぞ。

金印が眠っていた志賀島!福岡市からアクセス抜群の志賀海神社で「君が代」のルーツに触れる

てなわけで、安産祈願にお参りなさる方も
多いようです。
戦に出かけて、無事戻ってきて出産してますから
これに勝るご利益はないでしょうねw

そして何より、神社の名の由来にもなった

こちらの御香水
良い香りのする水を飲むと
たちまちに病が平癒したとか・・・

え、じゃあこのお水でお酒を作ったら、
お酒を飲んだら病が治るということか。
のび太もビックリのワガママ日本酒。w

こちらの井戸はフタをされているので
御香水はいただけません。

拝殿向かって左手に水汲み場があります。

今もこんこんと湧き出ているようです。
ここにもコロナの影響が・・・

karate自身は超健康ですが、
大事な知人の病が癒えますようにと願い、
一口、いただいてきました。

せめてご縁だけでも、
間接的にでも届いてくれたらいいなあ。
そう考えながら境内を歩いていると、

可憐な梅の花が咲いていました。
もう梅の時期ですなあ。

境内にはたくさんの摂社・末社があります。

左から住吉社・八阪社・恵比寿社・八幡社

扁額も何もないけど、たぶん豊国社

こちらは太神宮(だいじんぐう)
あんまり聞かん名前ですけど、
天照大神をお祀りする社ですな。

さすが天照大神、が存在するとは。
でもどれも古そうですね。今はないんかな。

そして、

これまた一気に並べましたな。
左から金札宮・那智社・熊野社・新宮社
天満社・春日社という、そうそうたる顔ぶれ。

こちらは東照宮
東照宮といえば徳川家康をお祀りしている
お社ですね。

こちらは松尾社。お酒の神さまです。

こちらは菊姫社
伏見稲荷の鳥居が奉納されていますね。
菊姫は、菊理比売命(くくりひめのみこと)のこと。
イザナミとイザナギを仲直りさせたことから、
縁結びの神さまとして親しまれています。

でも何でお稲荷さんの鳥居があるんやろ。
お稲荷さんはまた別の神さまのはずやけど・・・

全部お参りするには、5円玉を10枚以上
用意しとかんといかんですね。



御香宮神社は、歴史の大舞台

さっきからちらほら
ビッグネームが垣間見えています。

神功皇后は武芸の神さまでもありますが、
安産においては日本一の御利益を誇ります。

長男が跡を継ぐ時代、
男の子が生まれることはお家を守るためには
とても大切なことでした。
出産にまつわる神さまのもとへ偉い方々が
お見えになるのは、自然なことだったのかも。

それ以外にも、御香宮神社は歴史の大舞台。

鳥羽伏見の戦いです。
鳥羽伏見の戦いといえば、戊辰戦争の初戦。

戊辰(ぼしん)戦争

旧幕府軍と新政府軍の戦い。鳥羽伏見の戦いがきっかけとなり、戦火は拡大。
薩摩と長州が手を結んだ後、徳川慶喜は大政奉還を実行、政権を朝廷にお返しした。しかし朝廷政権下で引き続き政務の中心に居座ることを画策。
それを受けた薩長は倒幕やむなし、挑発行動を開始。耐えかねた旧幕府は薩摩藩邸を襲撃。新政府側は旧幕府側が口火を切ったとして、戦争準備を進めていく。
鳥羽街道を抑えていた新政府軍が、上洛すべく軍を進めていた旧幕府軍と対峙、新政府軍が発砲を開始し、戦争が始まる。伏見奉行所を抑えていた新政府軍がその音を聞き、こちらでも戦闘を開始。
一方、行く末を傍観していた朝廷は、新政府軍に錦の御旗を下賜。新政府軍は官軍となり、旧幕府軍は朝敵として賊軍となった。数で圧倒的に勝っていた旧幕府軍は、その後敗退していくことに。

戊辰戦争のことを考えると、新選組が可哀想になる。
荒くれなりに一生懸命尽くしてきたのになあ。

その他にも乃木希典の凱旋の漢詩が。

奥には日露戦争の戦没記念碑も。
そういえば近くに乃木神社があったなあ。
乃木将軍、実は神さまとして祀られているのです。

乃木希典(のぎまれすけ 1849-1912)

長州征討、西南戦争、日清戦争、日露戦争を経て、学習院学長に就任し、明治天皇の子息である、後の昭和天皇の教育にも従事。明治天皇の崩御を聞くと、妻とともに自刃。

karateは小学生の頃、司馬遼太郎『坂の上の雲』を読んで乃木大将のことを知りました。司馬先生からすると「乃木は全くの無能」ということではありましたが、軍内部からの引き立て、明治天皇との親交、国民から愛される人望、海外からの高評価などを見て、ずっと疑問でした。
自刃についても芥川龍之介ら白樺派は冷ややかだったようですが、前時代的なものが悪習であるというのは、少し乱暴な考え方かなあと思います。
アイドルは得意じゃないので詳しくはありませんが、最近よく乃木坂の名前を見聞きします。乃木坂は東京にある坂の名前ですが、その昔、乃木大将のお家があったのです。自刃後に、乃木大将のお名前をいただいて、幽霊坂と呼ばれていた坂は乃木坂に改められたんだとか。

乃木坂と聞いて乃木大将の顔が先に浮かぶ若者は、
karateくらいではないでしょうか。w
アイドルよりもオジサンが好きなkarateでした。

 

御香宮神社
京都府京都市伏見区御香宮門前町174
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