お百度参り・お千度参りってご存知?
お百度参り、時代劇ではお馴染みですよね。
妻が、戦に赴く夫の無事を祈って
なぜかはだしで、なぜか雷雨と風の日の夜に
鳥居と拝殿を百往復するお祈りですね。
そして妻は必ず倒れるという・・・w
そんなお百度参りですが
京都にはお千度参りで有名なお寺がありました。
今回のラインナップは、こちら・・・
◆お百度とお千度の違いって?
◆石像寺と釘抜地蔵さまのお力
◆大切な人の息災を願って
お百度とお千度の違いって?
お千度については、以前お参りした
九頭竜大社で触れました。
お百度は字のごとく、100回お参りです。
そしてお千度は1000回お参りします。
とはいえ、本当に千回もお参りしたら
日が暮れるどころか、夜が明けてしまいます。
本来は大人数で同じ願いを胸にお参りするのです。
お千度、他府県の人に聞いても
皆さまあんまりご存知ないんですよね。
もしかして京都だけなんかな。
とはいえ京都の人に聞いても
「知らん」て言わはる人めっちゃいるから
若い人たちには伝播してないんですかね。
そんなお千度を、karateは1人でやってきました。
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西陣エリアにある石像寺(しゃくぞうじ)です。
商店街の一角にあるので、見落とさないように。
早速、お参りしてきましょう。
石像寺と釘抜地蔵さまのお力
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「抜苦与楽」とありますな。
釘を抜くことがなぜ苦しみを抜くことになるのか、
これにはちゃんといわれがあるのです。
石像寺
山号は家隆山(かりゅうざん)。開基は空海。石像寺には釘抜地蔵の逸話があります。
室町時代、商人として成功していた紀伊國屋道林は40歳になると、両手に激しい痛みを覚えます。どんな治療も甲斐なく困り果てていたところ、病平癒にご利益ありと聞き、石像寺にやってきました。七日間のお千度参りの末、夢の中にお地蔵さまが現れ、こうお説きになられました。
「痛みの原因は前世の行ないにある。お前は前世で人を恨むあまり、呪い人形の両手に釘を打ち込んだ。それが現世でかえってきたのだ。」
そう言うと、二本の血に染まった釘を道林に見せました。
翌朝、痛みは消えていたため急いで石像寺にお参りすると、お地蔵さまの前には血に染まった釘が置かれていたそうな。
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既に3組ほど、お千度参りをされていました。
社務所でお参りの仕方を尋ねようと思ったのですが
霊に憑かれたと大音声でお嘆きになられている
先客がいらっしゃったので、
見様見真似でお参りすることに。
それにしても、
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凄い数の釘と釘抜ですな。
御礼の文字があるということは、
病が治った方々のお礼参りの絵馬なんでしょうか。
昔の釘抜って、こんな形やったんですね。
釘抜というより、やっとこみたいです。
え、やっとこって、伝わります?w
昔のマンガではよく、
虫歯を抜くのに登場しました。
・・・それも伝わらんかったらどうしようw
これがジェネレーションか。ww
大事な人の息災を願って
それにしても千度詣でるというのは
さすがに骨が折れます。絶対数え間違いするやん。w
参拝を終えたおば様に、やり方を聞いてみました。
お参りする回数は、数え年の数でOK!とのこと。
それにしたって願い事に夢中になったら
数え間違いしそうなもんですが、
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この竹串を持って、1回詣でるごとに
1本ずつ返していく。
これなら間違わずに済みそう!
とはいえ数え年の数だけ一度に持てないので
まずは半分を手に取りました。
正面で拝んで、
並びにある賓頭盧(びんずる)さんも拝んで、
宝珠と三鈷を撫でて、
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ぐるっと回ります。
先輩方は裏手でも一礼していたので、
karateも倣って一礼。まんまんちゃん。
これを年の数だけ繰り返しました。
いえ、karateが大病したわけではないのです。ご心配なく、すこぶる健康です。
実はkarateの生きる価値観を変えてくれた大切な人が、明日手術を受けるそうなのです。それを知ったのは、昨日のこと。慌てて参拝にきた次第です。この願い、何とか明日の手術までに届いてほしい・・・!!
karateは損得勘定が得意でした。友人も、仕事付き合いも、「彼や彼女らが自分にどんな利をもたらしてくれるか」という物差しでもって、付き合いの濃淡を決めていました。相手が困っていたら手を貸したり、相手が悩んでいたら話を聞いたりするのは、その先にある対価を見据えてのこと。「恩」を彼らに投資していたのです。
小学生の頃、陸上名選手だった友人のおかげで、学年で3番目のタイムを出せるように。
中学生の頃、お付き合いしていた女性のお父様と仲良くなり、中学生ながら人脈を拡大、地域の政治を目の当たりにしました。今もそのお父様とはお付き合いがあります。
高校生の頃、経済経営の大学院生の兄を持つ男の子と親密になりました。おかげで高校生の頃から、ネットオークションのイロハを学ぶことができ、大学生になると同時に生意気にも個人店主に。
当然、社会人になってからの人付き合いも、ほの暗い報酬を期待してのもの。
その人と初めて会ったときも、相手の職業が今後の自分の事業に活きそうだったから近づきました。でも、それとは別に何かモヤモヤしたものを感じていました。親交を深めるにもkarateは色々計画を練って段取りを組むタイプなのですが、ついつい「飲みに行きましょうよ!」と、口をついてお誘いの言葉が漏れるのです。正直、自分でもよくわからない行動だったのです。自分のことなのに、言語化できなかったのです。
友人であれ何であれ、karateにとって相手への好意の度合いは自由自在でした。なぜなら努力の加減で調節できたからです。好きになる努力をすれば、どんな相手でも好きになれるのです。kareteにとって「この人とは付き合いづらいな」「苦手やな」という人間は、ほとんどいませんでした。
思い返せばそれまでの友人・知人・恋人にいたるまで、自然発生的に好意が生まれたわけではありませんでした。それぞれはっきり記憶しています。いつから好意をでっち上げたのか。karateはどんな相手でも好きになれる代わりに、どんな相手も努力や理性でしか好きになれなかったのです。
その人に出会ってから、karateの好意は本能に寄り始めました。凄まじい仕事への熱意が見えたかと思えば、家族想いの顔になったり、急に15歳くらい若返ったように無邪気になったり、お酒にへべれけになったり、karateに気を遣っているようで、でも他のお客さんに絡みに行ったり、そこで急速に見知らぬ人たちと仲良くなったり。ほったらかしにされているkarateも自然と、他のお客さんと話し込むようになりましたw
見知らぬ土地で見知らぬおじさま・おばさま方と出会い、損得なしで色んな話をして、聞いて。その時間が一体何になるのかと言われれば、建設的な時間ではないと断言できます。
でも、そういう時間を「無意味」「無駄」とするのは、karateの心の持ちようとこれからの人生の歩み方次第であり、即物的な利のむさぼり方には全くのゆとりがないと悟りました。”dog”の意味がわからなければすぐネットで調べて、「犬」という意味を得ることに近いかもしれません。
全ての交友関係や利や知や時間が独立したもので完結しており、ただkarateの半生において「点」として存在するのみなのです。それぞれが本当に小さな小さな小宇宙。お互いの宇宙が交わることはない。そんな天井の知れた不自然な宇宙、何が楽しかろう。
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お参りの途中、晴れた空に
はらはらと雨が降り始めました。
karateの目には、吉兆の雨に映りました。
・・・写真には写りませんでしたがw
何周もする中で、その人とその人の取り巻く世界について
思いを馳せました。
手から1本、1本と着実に減っていく竹串に
寂しさを覚えました。
このお参りが終わってほしくないような、
いつまででも祈り続けられそうな。
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お堂にびっしりと貼られた絵馬。
karateもきっと、すぐに
御礼参りに参上しますね。
手術の無事と、病の平癒を願って。
石像寺
京都府京都市上京区花車町503
8:00~16:30
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